ナミツチスガリshibata-t2020年5月28日読了時間: 1分更新日:2020年12月8日ハチ目 フシダカバチ科 体長 12~15mm コハナバチ類を狩るので、花の上でよく見られます。 踏み固められたような草の少ない裸地の地中に集団で巣をつくり、獲物をまとめて狩って巣の坑道に運び込んだ後で幼虫の育房を複数つくっていくといわれています。 日本の北海道~九州に分布します。 成虫は、5月~9月に見られます。 (写真)2020.5.28 加古川市尾上町(加古川の土手)
お邪魔致します。私、Twitter (X) にて“覇蟆邇(はまに)人”のアカウント名で昆虫_とりわけ単独性狩蜂・花蜂_について投稿・情報提供している者です。ハムシドロバチ類の生態研究で博士学位を取得しております。
さて、こちらのページに掲載されている写真の蜂が、『ナミツチスガリ』と紹介されておりますが、それは誤同定で、
正しくは、『マルモンツチスガリ♂』となります。
触角の節数が正確に数え辛い写真ですが、上写真で可視後体節数が7節と分かるので、♂蜂です。
マルモンツチスガリは、『後体節第3節背板の幅広い黄帯の中央に、前縁から“半円形”に抉られたようなノッチが入る』のが特徴とされていますが、同♂蜂の場合は、幅広い黄帯の中央前縁に細い線状のノッチが入った個体も多く見られます。
一方、ナミツチスガリ♂では、相当節の黄帯の前後幅はマルモン♂ほど太くはならず、中央前縁からごく浅く“V字形”に太さを減ずるものの、顕著な切れ込みは入りません。
また、日本産ナミツチスガリでは、後体節第2節背板前縁の黄紋が入る事もごく稀ですし、雌雄ともに後肢は、脛節の前内方側面に黄条が入る程度で、脛節の其処以外の面や腿節・跗節ともに大部分は黒色で、前・中肢でも腿節の大部分~脛節の少なくとも後面は黒色であり、脛節・跗節の大部分が黄色いマルモンより明らかに肢の黒色部が多くなっています。
色斑には変異がつきものですが、ナミとマルモンの♂同士を比べると、頭楯側面形膨隆のピーク位置も、ナミの方が上方に寄っている等の明らかな形態差が見られます。
本当のナミツチスガリ♂蜂の写真を以下に示しておきます。