コオニタビラコ(タビラコ、ホトケノザ)
キク目 キク科
田植え前の水田や田のあぜに生える2年草で、高さは5~25cmになります。 日本の本州~九州と済州島、中国に分布します。 水田雑草であることから、古い時代に稲作とともに渡来した史前帰化植物ではないかといわれています。 春の七草のひとつといわれ、花は3月~5月に咲きます。 水田にロゼット状の根生葉を平たく広げた姿から田平子(タビラコ)と呼ばれ、同様に根生葉を平たく広げた姿が仏様の座っている蓮華台を思わせることから「仏の座(ホトケノザ)」とも呼ばれています。 春の七草については地方によって種類なども違っていたりしたようですが、室町時代の「河海抄(かかいしょう)」という源氏物語の注釈書に「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」と書かれており、この仏座がコオニタビラコのことだと考えられています。 江戸時代に貝原益軒が書いた「大和本草」という書物のタビラコの項に、「本邦人日七種ノ菜ノ内、仏の座是ナリ」とあります。 中国では旧暦の1月7日を「人日(じんじつ)」といい、この日に七種の野菜を入れた汁物を食べる風習があり、これが日本の「七草がゆ」のもとになったといわれています。 コオニタビラコの若葉は、「七草がゆ」に細かく刻んで入れて食べるほか、おひたしや天ぷらなどでも食べることができます。 (写真)2019.4.28 加西市玉野町