イタドリ(スカンポ)


ナデシコ目 タデ科 

池や川の土手、がけ崩れ跡、荒れ地などに生える多年草で、高さは0.5~1.5mになります。 日本の北海道(西部以南)~九州(奄美群島まで)と、朝鮮半島、中国、台湾に分布します。 雌雄別株で花は7月~10月に咲き、花には多くの昆虫がやってきます。 19世紀に観賞用としてヨーロッパに持ち込まれたものが野生化し、アスファルト舗装を突き破るなどの被害を出し、IUCN(国際自然保護連合)により「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されています。 春に出る葉が開く前の若い茎は、酸味があって生でも食べられますが、シュウ酸を含んでいるため食べ過ぎると結石の原因になるので注意が必要です。 にがりを含んだ荒塩で揉むか5%くらいの塩湯でさっとゆでると、シュウ酸だけが水に不溶性のシュウ酸マグネシウムになり、他の有機酸は残るのでおいしく食べることができます。 サラダ、酢の物、油いため、煮物などにして食べます。 インドの一部地域やインドネシアでは、イタドリの葉を葉巻タバコの代用品にしているそうです。 若葉を揉んで擦り傷などに当てると少しだけ止血作用があり、痛みをとるということでイタドリと呼ばれるようになったといわれています。 イタドリを漢字で虎杖とかきますが、イタドリの中国名をそのまま使っているとのことです。 昔は「多遅(タジ)の花」と呼ばれており、現在でも兵庫県ではタンジやダンジと呼んでいる地域があるようです。 日本書紀の反正天皇(仁徳天皇と磐之媛命の子供)に関する記述に、次のように書かれています。 「天皇、初め淡路宮に生れませり。生れましながら齒、一骨の如し。容姿美麗し。是に井有り。瑞井と曰ふ。則ち汲みて太子を洗しまつる。時に多遲の花、井の中に有り。因りて太子の名とす。多遲の花は、今の虎杖の花なり。故、多遲比瑞齒別天皇と稱へ謂す。」 現代語訳すると、次のようになります。 「天皇は始めは淡路宮に生まれました。生まれながら歯が一つの骨のようでした(歯並びが非常に良かった)。容姿は美麗でした。井戸がありました。瑞井(ミツノイ)といいます。そこから水を汲んで太子(ヒツギノミコ)を洗いました。そのとき多遅(タジ)の花が井戸の中にありました。それで太子の名前としました。多遅(タジ)の花とは現在の虎杖(イタドリ)の花です。それで多遲比瑞歯別天皇(タジヒノミツハノワケノスメラミコト)と称えます。」 (写真) 2017.9.5 丹波市山南町

(写真)新芽 2016.4.23 小野市黍田町

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