ヌルデ
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ムクロジ目 ウルシ科
落葉の小高木で高さ5~10mになり、林縁や伐採跡地など開けた場所に生えます。
日本全国と朝鮮半島、中国、台湾、東南アジアに分布します。 雌雄別株で花は8月~9月に咲き、花粉は昆虫が運びます。 種子は土の中で長期間休眠することが知られており、伐採などにより明るい生育に適した環境になると芽を出すという性質をもっています。 ウルシの仲間で、葉は3~6対の小葉と先端の1枚で複葉をつくっていますが、複葉の真ん中の軸にヒレのような翼(よく)があるので簡単に見分けることができます。 この複葉の翼にヌルデシロアブラムシが寄生して五倍子(ごばいし)と呼ばれる多角形の虫こぶをつくり、この虫こぶにはタンニンが多く含まれていることから、皮なめし、黒色染料に使われたり、明治時代になるまではお歯黒を染めるのに使われました。 ヌルデの虫こぶには、他にヤノハナフシアブラムシが翼に作る珊瑚状のもの、ハナフシアブラムシが枝の先に作る珊瑚状のものがあります。 ヌルデはウルシの仲間ですが、少々触ってもかぶれることは少ないようです。 果実は10月~11月に熟し、熟すと表面に粉のような物質をつけますが、これはリンゴ酸カルシウムの結晶でなめると塩味がし、信州では昔はこれを煮て塩の代用にしたといわれています。 ヌルデの名前は、幹を傷つけて白い樹液をとり塗料として使ったことに由来するといわれています。 また、虫こぶのことを付子(ふし)ともいうことから、フシノキとも呼ばれます。 カチノキという別名もありますが、聖徳太子が蘇我馬子と物部守屋の戦に際して、ヌルデの木で仏像を作り蘇我馬子の戦勝を祈願したとの伝承に由来するものです。 (写真)2016.9.17 加古川市上荘町